クラシック音楽克服マニュアル

 

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「クラシックは重い」

それはあながち間違った解釈ではないと白状するんですよね。

ミニマルミュージックのように心地よく聞き流せるクラシックもあるにはありますが、大半は、じっくりと耳を傾けるほうが、僕も断然多いですね。

「気軽でない=苦手」のまま歳をとって知らずにいるには、惜しいくらいクラシック音楽の世界は楽しめるジャンルだと思います。じゃあ、どうすれば苦手意識を克服できるの?

なんでクラシックを「重い」と思ってしまうのか、どうすればヤギのように軽々と苦手意識を乗り越えていけるのかを、順々に考えていくことにします。

 

1. ながらクラシックが難しい理由

気軽に家事とかゲームとかしながらクラシックを聞けるのだったら、「クラシックは重い」と感じないはずです。でも、クラシック音楽は、ポッキー感覚で手を伸ばすには、やはり重たいものです。

ポッキーというより、牛が何度も反すうして噛み砕きながら消化しているような感覚のほうが近いかも。

どうしてクラシック音楽はそんなに「重く」感じられてしまうのだろう?

 

クラシック音楽を聴いている心理状態は、読書をしている感覚に非常に近いものを感じませんか?

ストーリーに包まれていく感じが、特に。

ストーリーを追っているので、音楽に意識を全集中させてしまう。だから、「他の作業をしながら」音楽へも意識を向けることは相当難しくなるわけです。

何かの作業を筋道追って進めている最中に、ストーリー性のあるクラシック音楽の聴覚情報を処理すると、情報処理がパンパンになって、頭が一杯いっぱいになってしまう。

その点が、日常生活のなかでクラシック音楽を「重い」と印象づける要因になっているのだと、僕は思うのです。情報処理が追いつかない、といったほうが相応しい気がします。

「ながらクラシック」がイライラをつのらせてしまうのは、余計な情報処理をしなければならなくからなのです。ながら読書(読書しながらドラマ観るとか)をするのが難しいのと同じですね。二つのストーリーを同時に追うことは、まず曲芸みたいな無理な話です。慣れてくると、BGMでいけるんですけど(笑)。

「ながら」でなくても「重い」と感じるのは、ロックのようなストーリー性のないものと同じと思い込んで、軽く聞き流そうとするからではないでしょうか。

 

2. 音楽の形式を知ると世界が広がる

クラシック音楽は、基本的に形式に沿って成り立っています。展開部など、構成のテクニックを理解することで、魅力が増すことがあります。

車がどこを走っているか分からないままでいるより、今どこへ向かってどの道を走っているのかを把握していたほうが、安心して旅ができますよね。標識があるともっといい。音楽を聴くときも、それと似ています。
細部までの形式の知識は必要なくても、一番大きな枠組である交響曲組曲といったカテゴリーとその構成のこと、ついで各楽章の中身であるソナタやロンドといったのことだけでも知っておくと、ただ漠然と聴いているより、音楽の見通しがよくなります。「ここで音楽が盛り上がってくるのは、さっきまでの主題を展開させている場所だからだな」といった具合です。CDのブックレットにスケルツォやコーダなどの表記があるので、確認してみるといいです。

 

実はあとから知ったのですが、岡田暁生さんの著書『音楽の聴き方』の第3章「音楽を読む」にも似たことが書いてありました。岡田さんのほうが僕のような素人の寝言ではなく本物の専門家なので、関心のある方はぜひどうぞ。とっても意義深い本です!

 

3. 「ただ聴くだけ」のすすめ

でも、僕の場合、最初から形式を考えながら聴いていたわけではありませんでした(今だってほとんど考えていません)。

カデンツァ」とか「アレグロ」とか音楽を語る小学生は、なかなかいません(笑)。小学生時代の僕がどうしていたのか告白すると、同じ音楽を繰り返し聴いていただけです。ただそれだけです(今でも正直そうです)。

繰り返すうちに頭の中に音楽が定着してゆき、だいたい口ずさめるほど記憶がしっかりしてゆくのです。

ある意味、「外国語を聴くだけであなたもペラペラ」の方法に、どこか似ています。

具体的に文法がわからなくても、聞いているうちに、なんとなく理解できてくるものです。そう、音楽はやっぱり文章に似ているのです。どうしてかは分かりませんが。

 

そうやって聴いて覚えた曲は、シューマン交響曲第4番》やハイドン交響曲「朝」「昼」》、ブラームス交響曲第2番》などでした。カセットテープにFMから録音した音楽を、むさぼるように聴く少年でした。成績のぱっとしない小学生でしたが、夢中になれる数少ない趣味のひとつでした。

 

もちろん、作曲家の意図を知らないまま慣れ親しむ方法なので、本当のクラシック音楽の理解とはいえないかもしれません。でも、勘違いであってもそれはそれで構わない気がします。

映画を観るときに映像理論の知識は必要ないのと同じで、クラシック音楽も聴いて楽しめればそれでいいのです。

 

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4. 究極の方法は・・・

一番いいのは、音楽形式を理解しつつ、聴いて聴いて聴きまくる方法です。両方が合わされば、怖いものなしでしょう。

音楽形式に関する情報はネットで検索すれば、ほぼ確かめることができる便利な時代。80年代、90年代なんてネット環境がまだ整備されておらず、身の回りに情報源がなかったですからね。

じっくり焦らず好きそうな音楽を見つけて、聴き込んでいきましょう!