クラシック好きの休日

隔日更新。特にクラシック音楽と本について。

クラシック音楽の参考書:諸井誠『交響曲名曲名盤100』

f:id:yomkik:20200913201657j:plain

唐突ですが諸井誠交響曲名曲名盤100』って本、覚えてますか?出版社は音楽之友社。わたしが中学生のころ参考書にしていたのが、この本でした。

 

著者の諸井誠さんは当時NHK-FMの番組を担当していました。「FMクラシックアワー/クラシック・リクエスト」。懐かしい響きです。落ち着いた声まで蘇ってくるようです。レコードを一枚入手するのも大変だった時代、ラジオから流れるレコードの音をエアチェックしようと、番組表片手にラジカセで聴いていたあの昭和時代。彼が作曲家だということは、大学に入ってはじめて知りました。

 

本は1979年に出版されています。ON BOOKSという音楽之友社のシリーズの一冊です。

新書サイズよりも少し幅広だけど単行本ほど大きくないサイズで、装丁もやわらかい表紙で手軽な本でした。あまりに手軽なので、トイレの置き本として重宝する時期もありました。

宇野功芳さんも名盤紹介ものを残していますが、宇野さんはいたって真面目。そういった意味では諸井誠『交響曲名曲名盤100』はお気楽なのんびりした本です。

 

交響曲名曲名盤100』のよさは、語り口の面白さでした。一度も聴いたことのないブルックナーの初期作品やシベリウスのマイナー作品を、擬音を用いたり「あの旋律はぶるっくな、ぶるっくなって言ってるんだよ」みたいな表現をして、ど素人の中学生でも納得してしまうユーモアと分かりやすさがありました。

 

そして推薦盤や指揮者といった多くの情報を吸収するには、非常にいいツールでした。アバドショルティクーベリックといった初めて耳にする指揮者のレコードが、信頼のおける情報として頭に定着したものです。もちろん作曲家や作品の性格もこの本から興味深く吸収しました。ドヴォルザークの才能をねたむブラームスや、病的なブルックナーの癖など。これを読むわたしはなんでも吸収するスポンジ状態でした。

 

内容は作曲家の時系列で紹介され、古い作曲家(ハイドン)から新しい作曲家(メシアンのトゥーランガリラ)まで、主要交響曲を押さえていました。ブルックナー(←ヌルテも)、マーラー(←10番クック版も)はしっかり入っていて、「マーラーは何曲紹介されているか?」という売り文句もあったような記憶があります。そしていち押し推薦盤の白黒写真も各曲に添えられていて、持っていないレコードの夢を見させてくれました。

なんとショスタコーヴィチの第14番「死者の歌」も紹介されていました。初演からまだ10年です、死去からまだ4年しか経ってない頃です。

 

残念ながら、現在『交響曲名曲名盤100』は絶版ということで、現在では古書で入手するか、図書館で借りるかの方法でしか読むことはできなさそうです。今後、電子書籍化されるかどうかもわかりません。

また読んでみたい本です。

 

Amazonで探す

いつ復刻されるかわからないので、Amazonのリンクを貼っておきます。中古品(古書)の出品だったらありそうです。

  

ON BOOKS(28)交響曲名曲名盤100 (ON Books 28)

ON BOOKS(28)交響曲名曲名盤100 (ON Books 28)

  • 作者:諸井 誠
  • 発売日: 1998/12/10
  • メディア: 単行本
 

  

古書店で探す

古書店の検索サイトも念のために貼っておきます。2020年9月13日時点で調べたところ、在庫はゼロでした。でも、いつ入荷があるかもしれません。実際に行きつけの古書店の店長に「こんな本は手に入る?」と相談してみてもいいかもしれませんね。

古書検索「日本の古本屋」のサイトはこちら

 

公共図書館で探す

図書館はどうでしょう?

公共図書館のどこに所蔵があるかを検索するには、検索サイト「カーリル」が便利です。

 

カーリルで諸井誠『交響曲名曲名盤100』を検索

 

この検索結果から先の方法を簡単に説明します。

手っ取り早いのは、「~の図書館をまとめて探す」のプルダウンから、ご自身の都道府県を選択する方法です!

f:id:yomkik:20200913195537j:plain

選択した都道府県に所蔵があれば、「~館の図書館で見つかりました!」と所蔵館を表示してくれます。

f:id:yomkik:20200913195553j:plain

もし、その都道府県の図書カードを登録している人だったら、オンライン上の「予約する」ボタンで予約さえできてしまう便利さです。所蔵館が遠くても、取り寄せることが可能だったりしますよ。近くの公共図書館のカウンターで相談してみてください。私も何度も利用しています。

 

書棚に『交響曲名曲名盤100』が並んでいたら、「ああこれか」と手に取ってみてはいかがでしょうか。

f:id:yomkik:20200913201657j:plain