クラシック好きの休日

隔日更新。特にクラシック音楽と本について。

CDも結構いいと思う

「CDなんて買ったことない、買わない」という20代の知人がいる。たまに「買った」という人に話を聞くと、「ジャケットがぶっ飛んでたから」という理由だった。

買う場合は、付加価値が必須ってわけですね。

 

 『誰が音楽をタダにした?』という本は、CD産業の崩壊をまざまざと描いている。内部者がリリース前にリークして、mp3化してネット上にだだ漏れ。競争はエスカレートして、音楽業界は再編に次ぐ再編に突入する。CD衰亡史をうまく描いた一冊だった。

開発者によれば、mp3はCD音質との違いが分からないほどよくできているのだという。

 

うーん、それはどうだろう?

カーステレオのような整った環境だと、スピーカーがデメリットを補完してくれる。いつも車ではmp3でグールドのイギリス組曲をかけていて、十分高音質だと思う。

でも、ヘッドホンで聴いたとき、誤魔化せない細部は、どうしてもあると私は感じる。特に細かいパッセージは音が潰れてしまう。滑らかさが失われる。

 

昔のアナログの時代に世間の耳が戻った?と疑問に思うことがある。

ラジオでエアチェックして聴いていた時代、音質はそんなに良くなかった。天候のせいか、電波状況が悪い日もある。それでも、音楽さえ形を成していれば許せた時代があった。

CDはデジタル化に伴う音のロスがあるといわれる。その反面、盤の歪みやノイズがない分、純粋でいい音質の音楽を楽しむことができる。1980年代当初からはビットなど改良もされた。

mp3はCD以下の音質であるはずなのに、それでも音楽さえ楽しむことができれば十分と許されている。音としては逆行してしまっている。

 

とはいえ、そんなに高音質である必要はない。普通でいいのだ。SACDはアナログに近づこうとして頑張っているが、CDプレイヤーと互換がなく、ハイブリッドとシングルレイヤーでも音質が違う。そして行きつくところは、アナログ盤音質。最悪なことにSACDプレイヤーが一般に浸透しなかった。ほんの一部のマニアだけが高額なプレイヤーを使用するだけになった。

他にブルーレイオーディオが高音質で安価で大容量を売りにしているが、エラーがたまに出る。ブルーレイの不安定さがネックだ。私は一度つかまされて懲りた。中の1トラックが聴けなかった(泣)。

かといってアナログ盤が昔並みの価格に戻ることもない。負のスパイラルだ。

 

CDはなんだかんだ言って、記憶媒体としてよくできたものだと私は思う。

90年代より安価になったこと、シリーズ物はBOXセットで入手しやすくなったことなど、メリットは結構多い。

なんといっても、音楽が沈黙に近くなるほど、その漆黒さともいうべき微弱な音が安定を持ってくる。

CDは音楽媒体の基本として、もったいないくらいの性能と利便さと手軽さをもっているだろう。記憶媒体として安定もしている。

 

なんてことを書きながら、このたびカラヤンの70年代ベートーヴェン交響曲全集CDのBOXセットを取り寄せたことを正当化しているだけである。

 

Karajan, Beethoven: The Symphonies

Karajan, Beethoven: The Symphonies

  • 発売日: 2008/11/18
  • メディア: CD
 

バラ売りはジャケットが美しくて、それはそれでいいんですけど。余裕がなくて。ごめんなさい。

今年はベートーヴェン全集を、各種聴き比べてみたいと思っている。