クラシック好きの休日

隔日更新。特にクラシック音楽と本について。

本のこと

純文学的な回想録~北杜夫『母の影』

「神河内」から始まる戦時中の回想は、描写が非常にきめ細かい。何十年も昔のことをこんなにも生き生きと表現する北杜夫の記憶力は、驚くほかない。

他人の想い出のインストール~斎藤由香『猛女とよばれた淑女』

伝記というジャンルは、ある人物の偉業を書き残す。楽しく読んだ斎藤由香『猛女とよばれた淑女:祖母・齋藤輝子の生き方』は、伝記の概念からは外れるかもしれない。

ディストピアは14歳で終わるのか?~三島由紀夫『午後の曳航』

三島由紀夫の小説『午後の曳航(えいこう)』をしばらく前に読んで、眠らせていた。読んだ後、なんだかよくわからない霧のような無理解が生じてしまったから。

クラシック音楽の参考書:諸井誠『交響曲名曲名盤100』

唐突ですが諸井誠『交響曲名曲名盤100』って本、覚えてますか?出版社は音楽之友社。わたしが中学生のころ参考書にしていたのが、この本でした。

他人事でない『ルポネットリンチで人生を壊された人たち』

SNSはお手軽な発信源。でも、発言を一歩誤ると、取り返しのつかないことが起こる。その事例を調べた『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』は、追跡取材を通して、その怖さを克明に記している。

父を非情というにはあたらない?芥川龍之介『地獄変』

最近、ふと芥川龍之介の短編『地獄変』を思い出しました。数えて三回くらいは読んだ気はするのですが、改めて読み直してみると、記憶の中で別のストーリーを構成していてびっくり。どんな話なのでしょうか?

幸せってそれでいい?~ヴォネガット「ユーフィオ論議」

『カート・ヴォネガット全短篇2』所収の20ページ程度の短編、「ユーフィオ論議」を少し考えてみたい。

黄泉下りと思春期の物語~『ムーミンパパ海へいく』

トーベ・ヤンソン『ムーミンパパ海へ行く』はどこか物悲しい。最初に読んだときは、ただただ憂鬱な島でのパパの失敗談だと思った。

読書の反省、人生の渇望

「読書」という行為に、疑問を持つことがある。自戒の意味も込めて。

砂漠へ、夜へ~沼野雄司『エドガー・ヴァレーズ』を読む(後半)

第5章から雲行きが怪しくなります。壮大なものを計画する一方で、頓挫の連続。音楽の素材が宇宙的規模すぎて、脚本が逃げていく。

才能は人脈か~沼野雄司『エドガー・ヴァレーズ』を読む(前半)

この伝記、相当の意欲作で大部なので、感想を前後に分けて書くことにします。沼野雄司『エドガー・ヴァレーズ:孤独な射手の肖像』(春秋社)です。異様な人脈と生き方、そしてアバウトさに圧倒されまくりです。

挿絵最高!キャンプ成長譚?絲山秋子『絲的サバイバル』

書棚の背表紙が誘い掛けてきたので、絲山秋子『絲的サバイバル』(講談社文庫)を読みだした。読んだのはこれで2度目。

タイムカプセルぎりぎり~角田光代『月夜の散歩』

角田光代『月夜の散歩』は気楽に読めるエッセイ。食の話題が結構な頻度で扱われていて、さらに人とのつながりの話題がよく出てくる。

逃避行は楽園か?~大江健三郎『個人的な体験』

大江健三郎『個人的な体験』を読む。

かなり踏み込んだ音楽入門~岡田暁生『音楽の聴き方』

岡田暁生『音楽の聴き方』をひととおり読んだ。かなり踏み込んだ聴き方の解説書でした。

一気に読むのがおすすめ~絲山秋子『御社のチャラ男』

『御社のチャラ男』というタイトルの新作連載を書くぞと絲山秋子がSNSで発信した時、「この語呂はなんじゃこりゃ」と 呟いた。

「そういうものだ」と一味違う~『カート・ヴォネガット全短篇』

早川書房から『カート・ヴォネガット全短篇』が刊行された。全4巻。

人生ツラかったら読め!『ほんまにオレはアホやろか』

夏休み。読書感想文の宿題といえば、なんだか堅苦しそうなのが並びそう。いっそのこと水木しげる『ほんまにオレはアホやろか』なんて怒られますか?

音楽志向のヒントを含む~『村上朝日堂 はいほー!』

村上春樹『村上朝日堂はいほー!』(新潮文庫)を再読了。音楽にまつわる感慨に耽ることのできるエッセイ集だった。

時代のズレを感じさせないエッセイ~角田光代『これからはあるくのだ』

角田光代のエッセイ『これからはあるくのだ』(文春文庫)を読んだ。

北杜夫は家族がいたからこそ北杜夫だったんだな

昨晩、寝る時間を忘れて読んでいたのが『パパは楽しい躁うつ病』(新潮文庫)。朝の3時まで寝ずに読み切った。こんなに夢中になったのは久しぶりだ。

昭和的な、余りに昭和的な未来幻想~星新一『ボッコちゃん』

星新一『ボッコちゃん』(新潮文庫)を選んで読んでみた。奥付の昭和46年発行からもうなずけるように、「昭和色」がかなり色濃い。

スポ根エッセイ~角田光代『なんでわざわざ中年体育』

『なんでわざわざ中年体育』は、角田さんのスポーツへのあくなき挑戦の実話。

読んだ人の数だけ違う読み方ができる~村上春樹『一人称単数』

村上春樹の『一人称単数』は、70歳前後に書いた。と、指摘されなければわかならい若い文章力をもっている。

矛盾だらけの美の集積~三島由紀夫『仮面の告白』

三島由紀夫『仮面の告白』を読んでみた。意味深なアフォリズムが多く、人間ここまで突き詰めて生きることは、おそらく辛いだろう。

シンドラーよ、そこに愛はあったか?『ベートーヴェン捏造』

かげはら史帆『ベートーヴェン捏造:名プロデューサーは嘘をつく』を読んでみた。

こだわらず生きるとは?絲山秋子『妻の超然』

絲山秋子『妻の超然』を読んでの感想。

仮想GoToセネガル~絲山秋子『北緯14度』

絲山秋子『北緯14度:セネガルでの2ヵ月』を読んでの感想。

見る者と見られる者~オースター『幽霊たち』

ポール・オースター『幽霊たち』を読んでの感想。